■読む前の注意事項■


本編のシリアス具合からは程遠いかもしれません。

二人のイメージが壊れる!

という方にはおススメしませんので、

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多少変でも大丈夫!問題ないよ!

という方のみ↓へどうぞ〜v





ちなみに苦情は一切受け付けませんのであしからず。

































蒼い、蒼いあの星で


[それでも、ぼくは。]







「ジョミー、君にあげたいものがあるんだ」

「何ですか、ブルー?」

研究室の扉を開けた途端の第一声に、ジョミーが疑問符を浮かべながら扉を閉めると嬉しそうな笑顔でブルーがどんっと机の上に何かを置いた。その隣で、置いた衝撃で舞った書類をリオが慌てて捕まえている。

『ブルー!もう少し優しく置いてください!ただでさえあなたのどうしようもない整理整頓能力で素敵な状態に陥っている机なんですから!』

「・・・すまない、リオ・・・」

いつもは優しい眦を少々釣り上げたリオに、さすがのブルーも自覚している部分があるのか、悪かったと思ったらしい。素直に謝罪の言葉を述べる姿が微笑ましくて思わず浮かべた微笑みに、ブルーが気を取り直して向き直った。相変わらず綺麗な銀髪に真紅の瞳がそれは嬉しそうに机の上のものに注がれている。

「それで、一体これは何なんですか?」

机まで歩み寄ったジョミーが視線を移したものは、大きさにして一辺が三十センチほどもあろうかという正方形の箱で、かなり大きい。乱雑に積み上げれた書類の中でその存在だけがこれでもかと主張している。薄水色の包装紙と鮮やかな青いリボンで綺麗にラッピングされているところを見ると、プレゼント・・・と見てもよいのだろうか。だけど別に誕生日でも何でもない日なのに何故・・・?と疑問符を浮かべたジョミーにブルーがにっこり笑う。

「いいから開けてみたまえ」

『大丈夫ですよ、ジョミー。びっくり箱なんかではありませんから。・・・多分』

多分て何だ?と思いながら書類の山を越えて差し出されたそれを受け取る。思ったよりもずしりと重く、中でがさりと何かが動く音がした。

「じゃ、じゃあ開けますね」

「どうぞ」

何だろう。ブルーはいつだって優しい笑顔を浮かべているけれど、今日の笑顔はまた一段とすごい・・・ような気がする。何がすごいって・・・言葉にするのは難しいけれど、強いて言うなら見てるこちらが視線を逸らしたくなるほどの笑顔って言うか・・・ああもう、何で紅くなるかな僕の頬!そんなことを考えながら、ジョミーの手がリボンを解き、包みを開ける。現れた白い箱の蓋を、一息吸ってからいっきに開けた。

「・・・ブ、ブルー・・・?」

「どうだい、ジョミー?すごいだろう?」

顔を輝かせたブルーに何と言えばいいのだろう。開けた箱の中には、サッカーボールを模ったものが入っていた。入っていたのだが、問題はそれだ。どう見てもチョコレート。色、艶、香りからしてチョコレート以外あり得なかった。しかもあの持った重さから考えると中が空洞なんてことは考えられなくて、恐らくチョコレートの塊・・・なのだろう。

「少し遅れたけれど、バレンタインのチョコレートだよ。サッカー好きな君のために僕が作った特製サッカーボールなんだ。・・・リオにも手伝ってもらったけれどね」

いや、うん。気持ちは嬉しい。ブルーのその気持ちだけでもうすっごく嬉しくてたまらないが、さすがにこれだけのチョコレートの塊を食べるとなると色々なことを覚悟しないといけないと思うのは気のせいか。思わず助けを求めるようにブルーの隣に立つリオを見れば、すみません、力が足りなくてと視線を逸らされた。こ、孤立無援ですか!

「あ、ありがとう、ブルー。嬉しいです。よくできてますね」

「本当かい?良かった、喜んでもらえて。」

ジョミーのために頑張ったんだよ!ここの丸くする部分とかが大変でね・・・と嬉しそうに説明する姿に、ジョミーの覚悟も決まる。普段料理などしないブルーが一生懸命自分のために作ってくれたものだ。これ以上に幸せなことがあるのか?いや、ない。だったら死ぬ気で完食しなければ!それが男ってものだろう。

意を決してチョコレートを手に取ったジョミーが、後で医務室に胃薬をもらいに行ったのは内緒の話。最後までジョミーはブルーの前で頑張ったのだから。



「ふふ、ジョミー、おいしかったかい?」

「・・・は、はい。とても・・・」

「良かった。大好きだよ、ジョミー」


勇者に与えられた祝福のキスは、やっぱりどこまでも甘かった。











END




愛が、愛が重いよ・・・。頑張れ、ジョミー。
楽しいバレンタイン話を書きたかっただけなんですが、すみません、遊びました。そして被害者一名。ごめんよ、ジョミー。だけど君ならやってくれると思ったんだ。愛の力で!(いや、ムリだろ)それにしてもどれだけのチョコレートを食べたのか、考えただけでチョコ大好き人間な私でも胸を押さえてしまいそうです(笑)

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