光り輝くイルミネーション 軽やかな鈴の音は響き渡り 街の雰囲気は? もうクリスマス一色 賑やかで 楽しげな街・・・ そんな喧騒の中 一人とぼとぼ歩いて行く 寂しい? 全然! だってオレにはかんけーないもん! いつものように? 帰って寝るだけ 全然? 寂しくなんかないってば! ほんとに・・・ 寂しくなんか・・・ 〜聖夜〜 「今日は何の日か知ってるわよね?」 任務終了後 用事があると言って足早に去って行ったカカシを見送った3人。 振り返ってサクラがナルトとサスケに言った。 嬉しそうなその様子に 「何かあるの?今日・・・?」 ナルトは不思議そうに聞き返した。 その言葉に? サクラだけでなく サスケまでもが驚いたようにナルトを見る。 「あんた・・・知らないの!?」 「忘れてるのか?」 思わず叫んでいた二人。 「え?え?なんだってばよ?」 同時に叫ばれ反対に驚くナルト。 変なことを自分は言ったのだろうか? まじまじと自分を見つめる二人に? 居心地の悪さを覚える。 「今日は!クリスマスじゃない!」 サクラが言えば? 「毎年あるだろ?」 とサスケも後に続いて言う。 「クリ・・・スマス?何?それ・・・食べ物?」 何故二人がそんなに力を入れて言うのか分からず? 困惑気味に疑問を述べると・・・ 二人は同時に溜め息をついた。 「私・・・クリスマス知らない人間初めて見たわ」 「オレでさえ知ってるのに」 そんな二人に少し腹が立つ。 「だから!なんなんだってばよ!」 「クリスマスって言うのはね、キリストさまが生まれた聖なる夜なの」 サクラが説明を始める。 「キリストって言う人が生まれたのがどうしたんだってば?」 「だから!聖なる夜には親しい人や大切な人たちで集まって祝ったり、恋人同士で過ごすのよ!」 大切な人たちと・・・過ごす・・・夜? その言葉に? 心がずしんと・・・ 重くなる。 「まぁ、いいわ。知らないなら知ればいいんだし。あのね、何で私がこんなこと言ってるかっていうと」 今日うちでクリスマスパーティーするから来てって言いたかったのよ。 溜め息をつきながら本題を話すサクラ。 黙り込んだナルトの代わりにサスケが答える。 「クリスマスパーティーに?オレたちを?」 「そう。来てくれるよね?」 サクラは期待を込めたようにサスケを見つめている。 実はサスケ 毎年どこかのパーティーに必ず出ている。 普段そんなことにまったく関係ないといった顔をしているサスケが? 意外にも出席している理由とは・・・ 女の子たちとのある約束があるからだ。 そのクリスマスのパーティーに出てくれさえすれば? その他一切のことは決して誘わないという・・・。 面倒な誘いをたった一つ我慢しさえすれば煩わされることもないため。 サスケは渋々ながらも一応そのお祭騒ぎに加わっていた。 今年は同じ班のよしみでサクラの家のパーティーに出席することになりそうだ。 サクラの言葉に了承の意で頷くサスケを見ながら・・・ ナルトは一人心が沈んで行くのを感じていた。 「オレは・・・行かないってばよ・・・」 ぼそりと言った。 思いがけない言葉にサクラはきょとんとした顔でナルトを見る。 「え?どうして?」 ご馳走出るわよ? サスケもナルトを見た。 「ん〜いいってば!オレ今日は用事あるし!」 明るく言い放つナルトを不可解そうに見るサクラ。 「用事?」 「そう!これから急いで行かなくちゃ行けないんだってば!じゃあね」 そう言って・・・ その場からナルトは駆け出して行った。 「用事があるんじゃ仕方ないわね・・・でも・・・サスケ君は来てくれるよね!」 恋する女の子は自分のことで手一杯。 サスケを家に呼ぼうと必死で ナルトの様子にまで気が回らなかった。 サスケは、ナルトのことが気になったけど? 承諾したためサクラを置いていくことなどできはしなかった。 一人とぼとぼ歩く きらめく街 この時期いつも不思議だった。 なんでこんなに賑やかなんだろう なんでこんなに皆楽しげなんだろう・・・と 「そっか・・・クリスマスってもんのせいだったんだ・・・」 今まで 誰も? 教えてくれなかった・・・ 誰も? 一緒に過ごそうと誘ってくれなかった・・・ 「へへ・・・当たり前か。オレってば嫌われ者だし」 立ち止まり赤や青で飾られた 鮮やかな木を見つめる。 「綺麗・・・」 だけど? オレにはかんけーないってば ごめんね、サクラちゃん せっかく誘ってくれたけど? オレが行ったら きっと 楽しいパーティーを台無しにしちゃう だってオレは嫌われ者 そして何より? 九尾の化け物・・・ 死んでしまった人たちのことを考えると・・・ そんな資格なんてないから だって 大切な人と過ごす夜を もう 彼らは・・・ 過ごすことなどできはしないのだから・・・ 「オレってば一人でも全然寂しくなんかないもんね!」 呟き歩き出す。 ねぇ、ほんとに寂しくないの? どこからか聞こえてくる声 ねぇ、ほんとに? 耳を塞いでも塞いでも 聞こえる小さな囁き 「寂しくなんかないってば!!」 自分に言い聞かせるように 何度も何度も呪文のように繰り返す言葉 心の中はぽっかりと 穴でも開いたかのようだけど 繰り返す言葉は変わらない 「寂しくなんかないってば・・・」 輝く街の灯かりを背に? 家へと帰る小さな後ろ姿・・・ ドアを開けて部屋へと帰ったナルト。 そのままベッドに直行して布団の中にもぐりこむ。 冷えた布団はやがてあったかくなったけれど? 心は冷たい氷のよう 「寒い・・・ってば」 なんでこんなに寒いんだろう? 布団はこんなにあったかいのに・・・ カタカタ震えるのは身体? それとも 心? 寒さに震えながらも 眠ろうと目を瞑るナルト 早く眠ってしまいたいってば・・・ 急に? あたたかくなる身体 「え・・・?」 何で? そっと布団から顔を出してみると 見えたのは暗闇の中 僅かな光に輝く銀髪 布団にもぐる自分を・・・ 上からそっと抱きしめているカカシがいた。 「先生・・・?」 なんで? どうして? ココニイルノ? 零れた言葉にカカシがナルトの瞳を覗く。 微笑みながらナルトにそっと囁いた。 「今日はクリスマスだろ?」 その言葉の意味する所は・・・ナニ? 「だって先生用事がある・・・って・・・」 これは夢かも 期待なんかしない 先生がクリスマスにここにいる意味・・・ だって そんな・・・ 戸惑うナルトの頬に優しく触れながら? カカシは言った。 「クリスマスだからな・・・ナルトと過ごすためにさっさと片付けてきたよ」 オレにはナルトと過ごすクリスマスの方が大切だから・・・ それは カカシにとってナルトが大切だということ その言葉が意味することをようやく理解したナルト じんわりと・・・あたたかさが広がっていく。 身体に 心に・・・ ぱたりと落ちた涙を愛おしそうに唇で受けとめてカカシがそっと囁いた。 「なんで泣くの?」 カカシの温もり 広がるあたたかさ そのすべてが自分を包む 「だって・・・オレにそんな資格ないのに・・・」 なのに先生はそんなこと言ってくれるの? 先生すべてを知ってるんでしょ? そう言ったら? 笑って抱きしめてくれた。 「そんなこと気にしてたのか?馬鹿だな・・・」 どーでもいいんだよ。 資格とかそんなの。 「オレがナルトと一緒にいたいんだ」 その気持ちにかんけーあるか?そんなこと・・・ ああ、どうして? いつも先生は オレのつまらない心をそっと包んでくれるんだろう また 涙が一つ 落ちて行く 窓の外は光の波 笑いさざめく声が響くそことは対称に どこまでも静かな・・・ 静かなこの部屋で 今 この時を二人で過ごす そこにあるのはお互いの気持ち・・・ ただ? それだけ・・・ そっと・・・ 静かに? 聖なる夜は更けていく・・・ END クリスマス小説です・・・一応。 書いているうちによく分からなくなってきましたι 頭の中で整理できていないのバレバレですね(汗) ほんと、分からない話ですみません・・・。 →戻 |