”好きになったら負け”って言葉を聞いたことがある

この言葉の意味ってなんなんだろう?ってずっと分からなかった

誰かを好き・・・という気持ちを?

もう長い間抱いたことなんてなかったから・・・

だってラーメンを好きってこととは違うでしょ?










   

好き?すき?スキ?











初めて”好き”って思えたのは、イルカ先生!
オレを、オレだと認めてくれた・・・
優しい優しい先生・・・
先生に守られたあの時、胸がじんわりとあったかくなって?
ああ・・・好きだなぁ〜って思ったんだってば!



それからどんどん好きな人が増えたんだ
例えば・・・


サクラちゃん!
サスケに一生懸命な所はちょっとあれだけど?
かわいいし、
口ではなんだかんだと言っても優しいし!
強い女の子って綺麗だよね?



サスケは・・・まぁ嫌いじゃない・・・
いつもいつもオレのことドベ扱いするけどさ?
あの時のあいつを・・・オレをかばったあいつを・・・
オレは忘れられないってば
きつい言葉の中にも優しさを含んでるって気付いたから・・・



カカシ先生・・・

カカシ先生は・・・

なんて言ったらいいんだろう?
好きか?って聞かれたら好き!って答えるけど・・・
なんか違うんだってばよ・・・
初めて会った時はなんて変なやつにあたっちゃったんだろう?って思ってた
でも?
一緒に任務をこなすうちに
先生のことが・・・大好きになった
だってかっこいいってばよ?
”オレの仲間は絶対殺させやしなーいよ”
ふふ、あの時思わず見惚れちゃったってば、あの笑顔に・・・

だけど?

だけど・・・

イナリにオレのことを話していた言葉を聞いてからオレはおかしくなっちゃった
好きなんだけど、
先生のこと大好きなんだけど・・
この胸の苦しさはナニ?
ぎゅっとなって
ずきんとして
先生を見るたび苦しくなっちゃう・・・
これってビョーキ?
でもこんな風になるのはカカシ先生だけなんだよ・・・
分からなくて
気が付けばいっつも先生のことばかり考えてる
家にいても
修行してても
思い浮かぶのはカカシ先生のことばかり・・・
そして決まって?
先生がいないのに苦しくなる胸・・・
どうしたらいいんだってばよ・・・

先生に聞いたら答えてくれるのかな?

この胸の苦しいの・・・治してくれるかな?

もうそろそろ限界・・・
苦しくて
苦しくて
涙が出ちゃう

かっこわるいね?
オレ・・・
こんな姿カカシ先生に見せたくなんかないんだけど
どうしようもないこの苦しさ
なんとかしたいんだってばよ・・・










「え・・・?」




カカシ先生が片方覗いた目を丸くしてオレを見てる。

やっぱり言わない方が良かった?
先生に呆れられちゃう?
それともバカにされる?
どうしよう・・・
どうしよう・・・
泣きたい気持ちがどんどん大きくなっていく
でも
これ以上呆れられたくない!
「先生!今のなしなし!聞かなかったことにしてってば!!」
なるべく明るく言って
さっきのが冗談みたいにしないと
にししと笑って自分の顔を見上げたオレを?
先生が、はっとしたように見なおした。
それから?
思わず見とれてしまうほどの優しい笑顔を浮かべた。
どきん、と音をたててオレの心臓が早鐘を打ち出す。
それと同時に
ぎゅーっとなって苦しくて
胸を押さえて身体を屈めてしまった。
そんなオレに?
先生はそっとしゃがんで、下からオレを覗きこんだ。
間近に迫る先生の瞳
怖いくらい真剣な色を湛えてオレを見つめて・・・
「ナルト?さっきの言葉はほんとう?」
囁くように、どこか嬉しさを滲ませて言った。
なんて答えたらいいんだろうと
相変わらず苦しい胸を押さえながら、まとまらない頭で必死に考える
黙ったままのオレに先生がもう1度聞く。
「ほんとう?」
その真剣な瞳に飲み込まれるように・・・気が付けば答えていた・・・
「・・・ほんとう・・・だってばよ・・・」
答えた瞬間・・・
突然引き寄せられて
カカシ先生の方に倒れこんだオレは?
先生の腕の中に強く抱きしめられていた・・・
「好きだよ」
「え・・・?」
何が起こったのか理解するのに時間がかかる。
気が付けば胸の苦しさはどこかに消えていて
代わりに占めるのは、
くすぐったいような
じん・・・とするような
甘い・・・
甘酸っぱい・・・?
なんだかほわほわする気持ち
なんで?
今の”好き”と今までの”好き”とどこが違うんだってば?
混乱するオレに先生がもう1度囁く。

ナルトノコトスキダヨ

その時
ようやくオレは理解した。
先生の言う”好き”と
オレの胸を苦しくさせる”好き”が?
今まで思ってた・・・
他のみんなに抱いてた”好き”と
意味が大きく違うことに・・・
はっとして先生の顔を見上げれば?
優しくて?
デモ真剣な先生の顔。
そうか・・・
そうだったんだ・・・
オレってば先生のことがソウイウ意味で好きだったんだ・・・
・・・あれ?
せ、先生・・・今・・・
さっきの言葉を思い出して?
いっきに顔が真っ赤に染まった・・・
湯気でも出そうな勢いで。
「やっと分かったか・・・」
苦笑しながらも優しく笑ってオレの髪を梳くカカシ先生。
「ナルトもそう思ってくれてたことが」
オレは嬉しかったよ
そう言って先生は?
顔を覆う布をそっとずらして
優しいキスをした。



先生の腕の中で

先生にキスされて

”好き”な気持ちがどんどん溢れてくる

先生が死んで?って言ったら

冗談じゃなく

死んでしまえるくらい

先生が好き・・・





好きになったら負け”ってこういうことなのかな?










END





バレンタインのお話を書こうとしたら
なんだか思いっきり違う話に・・・ι
あ、あってるのは『告白』って所だけですか?(焦)
・・・この未熟者め!(泣)
それに・・・最近気付いたんですが・・・
私が書く話でナルトが泣かないことが無いような・・・?
必ず泣いてますよね・・・ι
もっとかわいくかっこよくカキタイです・・・(遠い目)


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