好きだよ

誰よりも君のことが

ずっと側にいるよ

ずっと君を守るから・・・



そう言って笑ったあの人は今はもういない。



遠い記憶に残る幸せは

幸せだったからこそ辛くて

そしてそれがとても遠いから余計に悲しくて・・・

もう今は

泣くことさえできない










夏の記憶











穏やかな日差しの中。
座った木陰で二人笑いあって話したこれからのこと。



火影になる!
そう言ったオレの途方もない夢でさえ
あの人は笑って頷いてくれた。


お前が火影になるのなら
オレはお前を守る者になろう
その側でずっと共にいる者になろう



だからお前は自分の道を進めばいい

オレはずっと側にいるから・・・

側で見守っているよ



それから話した他愛もないこと
笑って
笑って
幸せだったあの時。










†††††











あれから2年が過ぎた。



オレの成長は誰もが目を見張るほどで
いつしか上忍になっていたオレ


危険な任務ももちろん数知れないほどあった。
また
理不尽なものも・・・


まるでオレに死んで欲しい・・・
そう言わんばかりの危険な任務の数々もあったけれど・・・

でもオレは耐えられた

九尾の器じゃなくて
オレを見てくれる人・・・
自分を理解してくれる人が・・・
少しずつだけど増えてきて
オレの存在がそこにあることが許されるような・・・
そんな気さえしていたから・・・



そして何よりもあの人が側にいたから・・・



いつか誓った約束の通り
あの人はずっと側にいてくれた。
上忍になる前は優しい先生として・・・
そして
上忍になった後は頼りがいのある同僚として
いつだってすぐ側にいた。
このままずっと?
それが続くのだと思っていた。



そう・・・信じていたのに・・・・



オレは忘れていたんだ
オレを許さない人なんていくらでもいることを
そんな当たり前のことを
忘れてしまっていた・・・










†††††











夏真っ盛りの・・・こんな暑い日



あの人は突然失われてしまった・・・



簡単なはずの任務だった。
森で迷った老人を保護するなんて・・・
そんな下忍に本当なら与えられるはずの・・・簡単な任務。
上忍であるオレがあたった理由なんて・・・
本来それを与えられるはずの下忍チームのメンバーが
朝急に三人とも熱を出して倒れてしまって、
その報告を受けた受付のイルカ先生の近くに、たまたまオレとあの人がいたというだけ
別のSランクの任務を終えたばかりのオレ達だったけれど
困ったように、誰にこの任務を頼もうか考えているイルカ先生をほっとけなくて
疲れていた身体でもこんな簡単な任務なら、オレとあの人ならこなせる!
そう思って軽い気持ちで引き受けた任務だった。
すまなさそうにオレ達に頭を下げたイルカ先生を・・・
あなたも大変ですね・・・と笑って言ったあの人がオレが見た最後の笑顔。





すぐに見つかった身体の衰弱している老人。
森の中で倒れていた痩せた・・・小さな老人・・・



それがあんなことになるなんて・・・



もう大丈夫!
微笑んで、背負うために背を向けたオレの背中



疲れていた・・・
確かにそうだけど
何故気づかなかったのか?
その老人の静かな憎しみに・・・



化け物めっ!



そう叫んだ声が聞こえた瞬間
背中に感じた衝撃・・・


突き飛ばされる感じで横に吹っ飛んだオレが見たものは?
老人が握る刃を右手で握り止め、相手をクナイで刺し殺したあの人の姿。


首を掻き切られた老人は・・・
悔しそうに・・・
でも暗い笑みを浮かべてその瞳を閉じた。
倒れこんだ老人を一瞥してオレを振り返ろうとしたその時・・・



ごふりと血を吐いてあの人は膝をついた。



毒!?



瞬時に理解し、駆け寄ったオレが見たものは、すごい勢いで変色していく右手。
そしてそれは右手だけでなくあっという間に全身に広がっていく・・・
すぐに飲ませた解毒薬・・・
でもその勢いは止まるどころかさらに勢いを増していくばかり。
どす黒い紫に染まった身体を抱きしめるしかできないオレを見て、あの人が何かを言いかけた。
だけど・・・それはすでに音にさえならなくて・・・
ダメだ・・・
手の施しようがない・・・
この人を失う恐ろしさに・・・身体が震え、
こらえ切れずに零れた涙に伸ばそうとしたあの人の手が・・・力なく落ちた。



オレからあの人が奪われた・・・時。










†††††











あれから・・・
もう何年も経ったけれど?
こんな夏の暑い日には、残酷なまでに鮮やかに思い出してしまうあの時のこと・・・



あの時。
最後に言おうとしたあの人の言葉は・・・
いったいなんだったのだろう?



『愛してる』・・・か
それとも
『すまない』・・・か・・・



そのどれとも違う・・・そんな気がして・・・
あの人を失ってからずっと考えているけれど



最後の言葉・・・今も答えは分からない・・・










END







はうっ!?(汗)
なんてことでしょう・・・
やってしまいましたι
死にネタです(爆)
自分の誕生日までも死にネタ・・・
やばい・・・(だらだら)
お持ち帰りにする予定だった・・・
なんでこんなことに?(泣)
うう・・・
ちょっと前に『Wavalet』に書いたものの小説版って感じ。
うがぁ〜〜〜!!
誕生日ぐらい幸せなもの書けっての!(>_<)
しかも最初から最後までナルトの回想のうえ・・・
カカシ先生・・・なんか間抜けだし・・・(死)
あ〜どうしよう?
宣言したんだから企画発動させるべき?
でもな・・・
こんな幸せじゃないもの欲しがる人なんて・・・
いないんじゃ・・・(まったく)
ま、まぁ・・・いいや!
書いちゃったものは仕方ない。
せっかく自分の誕生日に書き始めて書きあがったんだから
発動させるだけ発動させましょう!
いや、だって・・・
今から別の話書けって言われても・・・
体力使っちゃったし・・・ι
二つほどある話・・・幸せなことは幸せなんだけど
それぞれに問題があってあげるかどうか判断しかねるしι
は!?言い訳ばかりオンパレード!(殴)

えと・・・
気を取り直して『誕生日企画』についてです。
このへたれ小説・・・
前に申し上げました通り、
お持ち帰りおっけーです!
こんなものですが・・・
欲しいと言ってくださる優しい方がいらっしゃいましたら、
掲示板かメールにてお知らせください!
謹んで進呈させて頂きます!
期限は・・・来月の25日までです。

自分のお祝いの・・・つもりなので、
貰って頂けるとすごく嬉しいです・・・はいv


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