側にいさせて

側にいさせて

それ以上は望んだりしないから・・・



だから側にいさせて










願い










薄暗い部屋の中。
そこはがらんとしていて・・・何もない部屋。
あるのは・・・小さなベッドとテーブル。
そしてつぎはぎだらけのお人形。



寒くはない。
でも冷え切った冷たい部屋。
それは・・・何のせい?



窓際にあるベッドの上。
身動きすらせずじっとする小さな影。
薄い布団に包まるように・・・
自分を抱きしめるように・・・
じっと・・・
じっとうずくまっている。



・・・不意に差し込んだ月明かり。
外を見遣れば?
空に輝く星はすっかり秋の星座。



かたりと・・・ガラス窓が鳴った。


零れた小さな溜め息が一つ。



「カカシ先生・・・」



呟いた言葉に滲む切ない想い。
それはこの寒い部屋で唯一自分を温かくしてくれるあの人への想い。
そして同時に・・・
どうしようもないほど泣きたくなる苦しい想い。



「先生は・・・今頃何やってるかな・・・」



お酒でも飲んでる?
それともイチャパラ読書の真っ最中?
笑ってるのかな・・・
怒ってる?
あは・・・寝てたりして・・・



「ありそうだってば・・・」



カカシ先生・・・



側にいたいよ



先生がどこで何やっていてもいいから・・・



ただ・・・側にいたい



胸を締めつける切ない想いに瞳が揺れた。
ぎゅっと自分を抱く腕に力をこめる。



側に・・・いたいってば・・・



一人は怖くないよ?
だってずっと一人だったもの・・・
一人なんか全然へっちゃら!









なのに・・・どうしてこんなにも先生に会いたいの?


先生の側にいたいんだろう?










分からない。

分からない。

分かるのは側にいたいという想い・・・それだけ。










瞼の裏に浮かんで消えない先生の笑顔。



にっこり笑って頭を撫でてくれるその仕種が好き。
溜め息をついても・・・優しい色を浮かべてるあの目が好き。
でも何よりも・・・
オレを抱きしめてくれるその温かい腕が好き・・・



「さむ・・・」



はぁ・・・と吐き出した息が白く見える。



先生が側にいてくれたら温かいかな?
きっと温かいよね・・・



先生・・・

お願い・・・側にいさせて・・・?










だけど・・・

口が裂けたって言えやしない。



目を伏せて自嘲気味な笑いを浮かべた。



だってオレは・・・

オレは九尾の器だもの・・・

オレが側にいれば先生にきっと迷惑がかかる。

笑って平気だよ・・・そう告げる先生が好きだから

大好きだから言えない・・・



「先生・・・」

だから

側にいさせて・・・そう願うことだけは・・・どうか許して?









もう一度空を見上げれば?
仄かに輝くまあるい月。
優しいその光に癒されるような・・・そんな気がした。










しんと静まりかえった真夜中。
小さなココロを締めるたった一つの願い。



ただただ純粋にそれだけを願う切ない想いを抱いて・・・
今日も一人この冷たい部屋で眠る・・・










布団に包まり眠る幼い子供に優しく光をそそいで・・・
月がゆらりと揺れた・・・










END




あうう・・・すみませんι
本人何書いてるんだか分かってません(殴)
もうほんとにつらつら書いただけです。
それ以上でもそれ以下でもありません・・・
短い上にこんなので・・・
すみません・・・(泣)


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