ねぇ、君はどこへ行ったの?

君はどこへ消えてしまったの?










君のいない場所











君が里から姿を消して3年が過ぎた。
ある日突然消えてしまった君。
暗部による緻密な捜索にも。
オレの必死の捜索にも。
見つからなかった・・・金の髪の子供。



どうして?・・・なんて愚問だけど。
なんで?・・・なんて言えないけれど。
それでも。
君がいなくてオレは・・・



ねぇ、どこへ行ってしまったの?
誰にも
何にも
一言も残さずに。
たった一人でどこへ・・・



側にいたいって言ったのに。
側にいさせてって言ったのに。
オレを残して消えた君・・・。



それで本当に良かったの?
君の夢は・・・
君の想いは・・・
今もオレの胸に残されたままだよ?
突然消えてしまうなら・・・
何にも言わずにいなくなるのなら・・・
どうしてオレにすべてを残していったの?



残してなんか欲しくなかった・・・
一緒に行きたかった・・・



ねぇ、君はどんな想いでここを去ったの?
絶望?
悲しみ?
哀愁?
希望?
それともそのどれでもないの?
もっと・・・もっと別の想い?



何でもいいよ。
何でもいいから。
オレを残して行かないで?



君がいないこの3年。
世界はただの色褪せた写真でしかなく。
オレのココロは今もあの時のまま止まっている。
時を止めたオレのココロ。
想いは褪せることなく今も。



だから・・・
だからナルト・・・
帰ってこいなんて言わない
帰ってきてくれなんて言わない
だけど・・・
オレを連れに来て?



3年前。
君がオレを連れて行かなかったことは・・・
オレにすべてを残していくつもりだったのかもしれない。
オレから何も奪いたくなかったのかもしれない。
だけど、ナルト?
君はオレからすべてを奪わないかわりに。
君のすべてを残していったんだ・・・



消えることのない
ココロに刻み付けられた君への想い・・・



その想いが日々オレのココロを蝕んで・・・
オレはもう笑うことさえできない
君に出会って知った想い
君に出会って変わったオレ
それらすべてが遠く遠く・・・
君とどこかへ消えてしまった・・・



オレを残していかないで?
オレを連れに来て?



それだけがオレの願い
それだけがオレの望み



他になんて・・・何も望まない・・・










「カカシ先生・・・」

「ナ・・・ルト・・・?」

煌々と輝く月を背に。
窓辺に立つ一つの影。

3年ぶりの君は、以前よりも背が高く。
大人びた顔をしていた。
でも相変わらずの大きな蒼い瞳がオレを見つめる。

「ごめんね、先生。オレ・・・オレ・・・」

消え入りそうな声で呟く言葉。
3年ぶりの君の声。
この3年・・・泣きたいくらいに聞きたかった・・・君の声・・・

「もういいよ・・・」

「せ、せんせぇ・・・」

「もういいから・・・」

そっと引き寄せて抱きしめる。
あたたかい・・・感触。
変わらない温もり。

その時。

オレの止まった時が動き出した。
世界に色が戻ってくる・・・

「行こう・・・?」

「い・・・いの?」

「ああ、オレにはナルトが・・・すべてだから」

「あり・・・がと・・・」










それは空に輝く満月の夜。
木の葉の里から上忍が一人・・・姿を消しました。

誰にも言わずに
誰にも知られずに・・・
そっと里から抜け出しました。





ねぇ、ナルト?
これからどこへ行こうか?

カカシ先生はどこがいい?

どこだっていいよ?
だって側にナルトがいるから・・・





君のいる場所がオレのいる場所










END




あはは・・・
すみません・・・ι
「願い」でどっぷりナルトにはまり込んだせいで、
今回は・・・カカシにはまり込んでしまいました(爆)
自分で書いていて言うのもなんですが・・・
乙女ちっくカカシ・・・(死)
行動力・・・ないですよねι
書いていて思いましたから・・・待つんじゃなくて探しに行けって。
私の中では自信たっぷりなカカシがいなくなったナルトを追いかけて行く〜
というのが理想なんですが・・・なんでかうちのカカシはへたれ・・・ι
泣きたいくらいにへたれです〜(>_<)
まぁ、なんと言うか・・・私が書きたかったことはたった一つです。
とにもかくにも「いなくなったナルトを想うカカシ」が書きたかったんですよ、はいι
それが”死んでしまったナルト”か”里を抜けたナルト”のどちらへの想いになるのかは・・・
実は最後まで決まってなかったんです・・・。
そうしたらなんだか知らないんですが・・・いきなり最後にナルトのお迎えが・・・(苦笑)
カカシが・・・お姫様になってしまいました・・・(爆)


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