晴れた空
流れる雲
穏やかな日差しを浴びて
今日も元気に笑う君の姿
そんな君を見ていると・・・
―――君が好きだよ―――
・・・なんて気持ちが溢れてしまいそう
たとえ青空なんかなくたって?
君の笑顔がオレの青空・・・
晴れた空 手にした青
「カカシせんせ〜!」
任務のない日の午後。
ベッドからようやく起きだして、昼食と言うにも遅い朝食を食べようとした。
だけど食べるものなんて何もなくて?
冷蔵庫はからっぽ。
戸棚の中もからっぽ。
仕方がないから適当に何かを食べに行こうと、外に出て道を歩いていた・・・その時。
背後から聞こえた子どもの声。
聞きなれた、ちょっとうるさくて
でも何度聞いても聞き飽きたりなんかしない・・・かわいい教え子の声。
どたどたと駆け寄ってくる気配が、後ろを振り返らなくても感じられて思わず微笑んでいた。
「カカシ先生!」
「や、おはよう〜」
どんっという衝撃音とともに腰に抱きついたナルトに、苦笑しながらもまずは挨拶。
「もう14時過ぎだってばよ?おはようじゃないって、先生〜」
くすくすと笑いながらナルトが上を見上げた。
今日の空みたいに蒼い瞳と視線がぶつかる。
「はは、いや、さっき起きたばかりだからね〜オレ」
オレにとってはまだおはよう〜な〜の
「ふ〜ん?そんなもん?」
変なの
不思議そうな表情で納得したようなしていないような・・・
カカシがズボンのポケットに突っ込んだ左手の裾を、ぎゅっと握りながらナルトが首を傾げた。
「変とはなんだ、変とは・・・」
笑ってくしゃりと右手でナルトの頭をかき回す。
ふんわりじんわり・・・
そんな感触が楽しくてついくしゃくしゃとしてしまった。
そのせいでふわふわの金の髪がぼさぼさに・・・
「わわ!先生何するってばよ〜!!」
憤慨したように叫んでナルトが腰の辺りをぽかぽかと叩く仕草をする。
それが
かわいくて
どうしようもないほどかわいくて
緩んでしまう頬。
そんなオレの笑いをどう受け止めたのか・・・
ナルトも怒ったような顔からくすくすと笑い顔になった。
穏やかな風にのる笑い声
ふと見上げた空・・・
輝く太陽の日差しは暖かくて
真っ青な空はどこまでも青い
眩しすぎる世界・・・
思わず瞳を閉じた
「カカシ先生はどっか行く途中?」
「ん?ああ、朝飯でも食べようかと思ってさ」
まいったことに家に何もなくてねぇ〜
「え!?ご飯まだなの!?」
そっと目を開けて下を見遣ればナルトがぱちりと目を瞬かせた姿が見えた。
そして次の瞬間、ぐいっとオレの裾をひっぱって叫んだ。
「じゃぁ・・・じゃぁ・・・先生!オレの家で食べない?」
「ナルトの家で?」
「うん!昨日カレー作りすぎちゃって・・・いっぱい余ってるんだ!」
「お前・・・先生に残り物食べさせるの?」
「う・・・」
横目でちろりと見たオレの言葉に、ナルトが言葉につまる。
そしてしゅんとした表情で、下を向いてしまった。
それでも。
諦められないらしくオレの裾を握ったまま・・・
ああもうほんと!かわいいなぁ〜
くすりと零れた笑みのまま、ぽんっとナルトの頭に手を置いた。
「あはは、冗談、冗談〜!ありがたく食べさせていただきます!」
「ほんと!」
ぱぁーっといっきに顔を輝かせて勢いよくナルトがオレを見上げた。
それににっこり笑って頷いてみせる。
へへっ・・・と笑ってナルトがぎゅ〜っと腰に抱きついて言った。
「カカシ先生にオレの特製”うずまきスペシャル爆裂カレー”を食べさせてあげるからね!」
ば・・・爆裂?
「・・・うまいんだろうな?」
「もちろんだってば!」
自信ありげに拳を作ってガッツポーズ。
その姿にまずくてもいいや・・・そんな気持ちになった。
だってオレを誘う君の姿があんまりかわいかったから・・・
それだけでオレは幸せで。
味なんてこの際なんだっていい・・・
そう思ってしまう自分がいる
「じゃぁ、早いところお願いな〜」
もう腹減って腹減って・・・
「うん!行こ、先生!」
さっきまでの表情とは打って変わった明るい笑顔。
ぐいぐいとオレの手を引っ張る身体全体から、喜びが滲み出ている・・・
引っ張られる手の勢いに苦笑しながらもオレの心はあったかくて・・・
なんて言うか・・・ほんわりする感じ?
きっと里の奴らや
上忍仲間
それに元暗部の奴らが見たら笑うだろうな・・・
そう思っても?
そしてもし笑われても?
この手を離す気なんてさらさらないけどね
だってオレがこの手を離したくないから。
目の前で揺れる金の髪
きらきらきらきら・・・
眩しいのに見つめていたいそんな輝き
引っ張られる手はそれなりに痛いけど
腹だって空腹で仕方ないけれど
それでも思う
もう少しこのままで・・・
END
ほのぼの・・・を目指してみたんですが・・・
なのに何故かカカシ先生の『のろけ&乙女ちっく語り』になりました(爆)
最近私の書くカカシ先生はこんなんばっか・・・(苦笑)
笑ってやってください・・・ええ、遠慮なくどうぞ〜(涙目)
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