夢に見た小さな子ども


陽の光を集めたような金の髪

高く澄んだ空のような蒼い瞳


オレを見てその小さな手を伸ばした

浮かぶ愛らしい笑顔は・・・あの人の面影を残して。



そうして・・・オレの手を握る。










優しい光り












親のいないオレを、拾い、育て、導いてくれた先生。



あなたが死んでもう何年になりますか?


里を守るためにその命を賭けたあなたは。


オレの誇りであり・・・オレの原点・・・



あなたから何もかも教えてもらいました。



喜びも、楽しさも、辛さも、苦しみも・・・そして哀しみも。



人形のようだったオレの心に色をくれましたね。


それまでの人生を根底から変えてしまう、あなたと過ごした日々・・・

それは今もオレを形作っている。


大切な仲間がいました。


お転婆だけど、かわいい女の子。

やんちゃだけど、優しい男の子。


彼らはあの時のまま・・・その時を止めてしまったけれど。


オレは今もこうして一人生きています・・・







先生・・・教えてください。

あなたは幸せでしたか?

最期は微笑んで瞳を閉じたけれど・・・

本当は辛かったのではないのですか?


「あぁう・・・」


声をあげた、腕の中の子どもを恐々と抱きしめる。

そっと頬に触れる柔らかな髪。

日向のようなあたたかな匂いが・・・したような気がして



その温もりが・・・泣きたいくらいに愛しかった・・・







愛する人との間にできた愛する子ども。



誰よりも何よりも守りたかったその存在を・・・

あなたは守れたと言えますか・・・?



里を襲った突然の悲劇。

誰かを犠牲にしなくてはならなかった・・・それは紛れもない事実。

貴方は決断しなければならなかった・・・それはどうしようもない現実。

だけど。

その犠牲に・・・愛する人を、我が子を選ばなければならなかったあなたの苦しみは・・・

きっと誰にも分からない。



四代目という立場はあなたを苦しめ、縛り付けるだけのものだったのではないのですか?



先生・・・教えてください。


この子どもの笑顔をあなたは見ることはできなかったけれど

辛くはなかったですか?

哀しくはなかったですか?



初めて抱きしめた時が別れの時という現実を・・・恨んだりはしませんでしたか?



オレは恨みました。



大好きで・・・大切な先生を奪った現実を。

犠牲の上に成り立つこの里を。

全てを引きうけさせられた小さな生命を、愚かにも憎悪する里人たちを。

そして。

何よりも無力だった自分を・・・。



心の底から憎みました。



そんな暗く淀んだ気持ちのままで・・・ずっとその後生きてきました。



だけど。



この子に会った時。

この子に触れた時。



その全てが、まるで雪が溶けるように綺麗になくなりました。



「あぁ・・・」



腕の中で笑い声をあげた幼い子ども。

零れた涙を拭うかのように、差し出された幼い手が頬に触れる。



凝ったどす黒い憎悪全てまでもを引きうけて

笑うこの子にただただ愛しさと切なさが募ります。



この子が生きる現実は、きっとどこまでも茨の道のように辛いでしょう。



あの時は何もできなかった。

でも今はオレも無力な子どもじゃない。

今度は・・・オレがこの子を守ります。

あなたと、この子に守られた生命で。



先生、あなたのために。


そして・・・この子のために。



あの時の先生の心は今でもオレには分からない。



それでも。



オレの心を救ってくれたこの優しい笑顔を・・・



オレはあれから初めて守りたいと思ったのです。



先生・・・それでいいんですよね?










夢に見た小さな子ども

それはどこまでも優しい・・・光り溢れる笑顔。










END




・・・書きたいことがぐるぐるして、上手く言葉に表せませんでしたι
途中から意味不明もいいとこです(汗)
ええと・・・ようするに小さなナルトを守ろう、守りたい・・・そう思うまでのカカシ先生の心の変遷というか・・・そんなものを書きたかっただけなんです、はい。
え?全然分かりませんか?す、すみませんでした〜(逃)


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