何かを失うことが怖かった こんな自分が得られるものなんてほんの僅かしかないから 失うことが・・・怖かった 怖くて 怖くて 怖くて・・・ 手にした僅かなものを守ることに必死だったんだ・・・ Tear's drop 空に流れる流れ星 何度見上げただろう 涙をこらえて 唇噛んで 何度一人見上げただろう・・・ 失いたくない これ以上何も。 オレから奪わないで そう・・・声をあげれたら良かった だけど声をあげることすらできなかった自分。 だってさ・・・ もし、それでこの優しい時間が終わってしまったら? 壊れることなんてとても簡単だよ? 今までずっとずっとそうだったから・・・ 求めることは傷付くこと 求めることは・・・辛いこと だから・・・ 自分から求めることなんてできなかった・・・ 失いたくないものを守ることだけ考えて 必死で呼吸していた 苦しいほどの 切ないほどの 泣きたくなるほどの 微かな・・・呼吸 誰にも気づかれないように 上手に微笑みで隠して 笑っていればきっと大丈夫! 笑っていれば何も壊れない だから笑っていなくちゃ 涙なんか見せちゃいけない 同情が欲しいわけじゃない 対等な立場が欲しいから・・・ 笑顔が何よりの魔法だってば! 笑っていればきっと何も失わない 笑顔の裏で 胸の奥で 誰かが必死で叫んでいるけれど 何も聞こえない 聞いちゃいけない 笑って・・・いなくちゃ・・・ 「お前・・・何で笑ってんの?」 肩が 震えた 「なぁ?何でそんなになってまで笑っていられるんだ、ナルト?」 静かな声がまるで遠くに聞こえる。 呆然と見つめるその先で、尚もその人は言葉を続けた。 「泣きたいんだろ?ほんとは泣いてるんだろ?」 「ちが・・・」 否定しようと開いた唇から零れ出る言葉を遮って。 その人は強い眼差しでオレを見た。 「じゃぁ、何でそんな顔してるんだよ」 今にも泣きそうな顔してさ 「・・・え?」 思いもかけない言葉に肩が震えた。 どうして? なんでそんなこと言うんだってばよ? こんなに・・・ こんなに上手に笑えているのに! なんで・・・ 「分からない?本当に?」 そう言って覗き込まれた瞳。 その人の綺麗な瞳に映る自分の姿に・・・衝撃を受けた・・・。 そこには今にも泣きそうな子どもが一人。 大きな瞳を歪ませて立っていた・・・。 「・・・っ!?」 そんな ゆらりと・・・視界がぶれる。 気がつけば頬を伝う涙。 自覚とともに流れ出した透明な雫。 慌てて拭おうとしたオレの手が強い力で掴まれた。 見られたくない そんな想いで顔を背けたオレをそのまま引き寄せて その人はゆっくりと抱きしめた。 「泣けばいいよ」 囁くような低い声。 「思い切り泣けばいい・・・」 「・・・できないってば」 搾り出すようにそう言うのがやっと。 「どうして?」 「だって・・・」 どこまでも優しい声に胸が痛い。 どこまでも優しい抱擁にただ・・・切ない。 このままここで泣けたら・・・どんなにいいだろう このままここで思い切り声をあげて・・・ でも・・・ 怖い・・・ 自分のことを曝け出して。 何かを失ってしまうことが・・・どうしようもなく怖かった。 「・・・オレは・・・」 笑え 笑えよ 笑うんだってば! オレは泣いてなんかいない そう言って笑うんだ 「オレは・・・」 「まったく・・・強情なのはダレに似たんだろうねぇ」 苦笑したような響きにびくりと身体が震える。 その震えを優しく抱きとめて、その人は囁いた。 「何も怖いことなんてないよ?」 「いつだって、何があっても、オレはお前のために側にいるんだから・・・」 「だから・・・泣いていいんだよ?」 信じられない言葉に思わず振り仰いだ先。 微笑む優しい瞳に、堪えていたものがすべてを押し流した。 堰を切ったように溢れる・・・涙。 「オレ・・・っ、オレ・・・怖かったんだってば・・・っ!」 「うん」 「な・・・っくすのが・・・怖・・・っくて・・・怖くて・・・」 「うん」 「だから・・・っ!」 「分かってる、大丈夫だよ、ナルト・・・」 そう言って、泣きじゃくるオレの涙を優しく唇で拭って。 オレが泣き止むまでずっと。 そう・・・ずっと抱き締めてくれていた。 ・・・オレが泣き止むまで。 ねぇ、カカシ先生・・・ オレ・・・誰かの腕の中で泣くなんて初めてだったんだってばよ? 泣いてもいい・・・ 泣いたって失うものも 壊れるものもないんだ・・・ そう教えてくれた先生が、オレは世界で一番大好きだってば! そう言ったら・・・笑う? END あわわ、何が書きたかったのか(汗) えと・・・ナルトの笑顔の裏にあるものが書きたくて書いたんですが、自分でも途中から何が何やら分からなくなってきました(爆) ナルトの誕生日記念ということで、救われるようなお話を書こうとしたのが間違いだったのでしょうか??? いえ、実は最近カカナル書こうとすると、死にネタが多くて多くて・・・ι 書くのはかなり大変でした・・・これだけなのにι 意味不明な本文及び後書きで申し訳ないです(-_-) とにもかくにもナルト、誕生日おめでとう〜!! →戻 |