夜空に冴え渡る月の輝き 凍えるような寒さの中 何度も 何度も 何度も 一人見上げた銀の・・・光 同じ空を、星を、月を見てるといい・・・ もしかしたら、本当に、偶然に、見ているかもしれない そう、思うことが小さな癒しとなり、この胸をあたたかくする 心に浮かぶたった一人の面影 想いはただ一人の下へ・・・届けばいい 夜恋抄 声が・・・聞こえるような気がしたんだ オレを呼ぶ声が オレを想う声が そう、いつだって あの子の声で もう何年になるだろう・・・ 最後に見たのは泣き顔だったけれど いつだって思い浮かぶのは、あの笑顔 優しさと強さ・・・そんなものを秘めたあどけない笑顔が 瞳を閉じれば思い浮かぶ その笑顔が好きだった その笑顔を守りたいと思った そうして 守れた・・・と思った あの子は今もあの笑顔でいられるんだと・・・ なのに なのに・・・声だけはあの時のまま 堪えるように洩らされた嗚咽まじりの泣き声 ―――イタ・・・チに・・・いちゃん・・・行かな・・・いで・・・ それだけが繰り返される まるで それが真実なんだとでも言うように・・・ 何度も 何度も 何度も 笑顔の向こうに聞こえる声 笑顔を見れることだけが 笑顔を浮かべてくれることだけが・・・幸せだった 小さな背に背負った業を、受け入れ 懸命に生きようとするその存在が、ただただ愛しくて あの子のせいではないのに あの子によってすべてが守られたのに 恨むことだけしかできない者たちなど死んでも良かった あの子から笑顔を奪う者など存在する価値もない だから オレは後悔なんてそんなことはしない それなのに オレを想うあの子の声に心が揺れる オレの願いは一つだけ たった一つ・・・あの子の幸せだけなのに 「オレは・・・間違えてしまったのだろうか・・・」 小さな呟きが風に散る 見上げた空の上 月が柔らかな燐光を放つ 凍えるような寒さの中 それだけが救いであるかのように 柔らかな燐光を放つ 月よ、もしも願いが叶うなら あの子の下へ この想いを届けて欲しい 気付かれることなく 優しく降り注ぐ光となって あの子に届けばいい・・・ それだけが・・・今のオレにできることだから・・・ END イタナル・・・だと思いたい(爆) 里を出奔後、イタチはいつだってナルトを想っていたんだよ〜って感じでお願いします(殴) それだけです、はい。 →戻 |