ぐるぐる世界は君のした 「おはようございます、周助様」 甲斐甲斐しく従者の大石に深々と一礼されて、にっこり微笑む。 「今日の朝食は、アボガドのスープ、夏野菜のサラダとディジョン風エッグ、付け合せにプレーンソーセージとモルタデラ、ソフトサラミを。 チーズは各種用意いたしました。本日のパンはサワーブレッドでございます。お飲み物はなにに致しましょう?」 にこにこと朝食の説明をしてくれるのは、不二家専属コック(板前ではなく)タカさん。 「アールグレイ、ミルクティーがいいな」 そう言って、僕は気分よくテーブルについた。 「周助様、今日は手塚様とそのご令嬢がアポイトメントを取っておられます。時間は10:00からです」 コポコポとカップに注がれる紅茶が、香り良く漂う。 「そう、接待には桃を回しておいてね」 優雅に食事、優雅に紅茶。 まるで絵に書いたようなそれは、思わず感嘆のため息がでるほどのものでした。 「どうぞこちらへ、手塚様」 桃城に案内され、大広間に入ってきたのは2人の来客。 「ご機嫌麗しゅう、周助様」 恭しくも深々とお辞儀するのは、国一の堅物と呼ばれつつも不二家直属の武家の手塚。 「ぇえっと…初めまして、お目にかかれて光栄です……」 ぺこりとお辞儀をするのは手塚が手塩をかけて育てたと言う、噂の美姫。 「君が、手塚殿の愛娘の英二嬢?」 「そうだにゃ〜……じゃなくって!はい」 「今日は周助様にわが娘を頂いてもらいたく……それでですね、例のあの件についてなんですが……」 たんたんと変わらぬ表情で言う手塚。 「うん、君の言いたいことはわかるよ。詳しいことは乾に申し付けておいてくれる?」 パンパンと手を叩けば、どこからともなくやってくる、不二家直属の参謀。 「手塚様、どうぞこちらへ……」 促されて手塚は乾と退室していった。 「英二姫、ようこそ僕の城へ」 「にゃ?」 「君のために今夜はパーティーを開くことにしよう…そう言えば、うちの名コックがいいマムシが手に入ったとか言ってたし……」 にっこり笑って極上の笑みを向ける。 「僕のものになればすべてのものが、君の思うがままだよ。そう…この子のようにね」 不二のひざの上のリョーマが擦り寄る。 「しゅーすけVv」 のどを撫で上げれば、甘えたようにうっとりと不二に抱きつく。 「にゃ……Uu」 胸を横切る不安だが、それはきっと不二の微笑みに消却さるだろう。 今日もキラキラ輝く笑顔。 その笑顔にみんながひれ伏し、みんな貴方に従います。 みんな貴方の思うがまま。 だってここは貴方の国。 貴方の世界。 貴方の星。 世界はぐるぐる回るよ、貴方の下を。 「………っていう夢を見たんだ」 「「「「「「「「…………」」」」」」」」 にこにこ癖のない笑顔で話した内容は、話された8人の言葉を一瞬どこかへ連れ去って言ってくれた。 「……っていうか!なんで俺が姫なんだよ〜!!」 「…ハハハ………(胃が…)」 「っていうか、どこの国の話っスか?」 「……………(一夫多妻制?)」 「夢とは本来人の持つ願望を如実に表して……云々」 「……………(接待?)」 「コックかぁ…俺は板前志望なんだけどね…」 「…フ…フシュ……喰…喰ったんスか……(怯)」 「夢は夢だからね…フフ」 キラリと光る眼光。 楽しそうに口の端が上がる。 「いや、だからなんで俺が姫っ………!!」 「「どこの国の話っスか?」」 「「「…………………」」」 「非常に興味深いのでもっと詳しく……」 「…喰…喰った…んスか……?(恐)」 「ん?だからスマイル星だってば」 「「スマイル星っ!?」」 「じゃなくてーっ!なんで俺が姫なの!?ねー!!」 「きっと極上の笑顔を持つ者が最高の権力を手に入れる国なんだろう……」 「…喰っ……喰った……?(泣)」 「「「………………」」」 「フフフ………」 「………!!……!」 「「…?………!!」」 「……………」 今日も今日とて世界は回る。 昨日も今日も、明日も回る。 きっと世界はすべての人の下で回ってて、 けれどもみんな、気付いてない。 世界を回せ! 自分で回せ! 流れに乗ったらさぁ 見てごらん! 楽しい毎日待っている!! fin 『Fairy land』のあらなみかいりさまから頂きました。 キリ番400hitを踏み、リクエストさせて頂いたお話ですv スマイル星・・・素晴らしいところですvv 極上の笑顔を持つ者が最高の権力を手に入れる国・・・ あはは、それじゃあ不二先輩以外にダレ最高権力者足り得るというのですか!? 不二先輩以外いないでしょう!!(きっぱり) 皆のそれぞれの役割にも大笑いしましたが、後でそれを聞いた時の反応にも大笑いしてしまいました(笑)いや〜ほんと、読んでて楽しかったですvv 不二先輩万歳!!不二先輩最高!!(笑) あらなみさん、本当にありがとうございました〜vv(^^ゞ ブラウザのバックボタンでお戻りください。 |