≪あれが噂の不二先輩≫



「・・・あれが青学テニス部の天才、不二周助先輩だって!」
「え〜どれどれ?わわ、かっこいいー!!」


そんな会話が耳に入ったのは偶然だった。
別に聞こうと思って聞いたわけではない。
この昼休みの雑然とした空間で、わざわざ女の子の会話を盗み聞きするほど自分はヒマではないし、興味もない。なんと言っても、昼休みは貴重な睡眠時間なのだ。
普段なら聞こえていても、脳に達することなく流れ消えて行く会話。
それが今日に限って脳へと伝達され、眠るのを邪魔する。
原因は分かっている。
”不二周助”。
その言葉につい、耳を傾けてしまったのだ。
何気なく・・・といった感じに、リョーマはそっと窓から女の子達の視線の先へと目を向けた。

運動場に立つ幾人かのジャージ姿が目に入った。
同じようなその姿の中で一際目立つ人物が一人。

青学テニスのナンバー2と言われる、不二周助である。

不二は、さらりとした茶色の髪を風になびかせ、軽くストレッチをしていた。
横で同じように膝を軽く屈伸していた菊丸が何事か話しかける。
2人でくすくすと笑い会う様子が、遠くからでもよく分かった。

「何話してんだか・・・」
どうせろくでもないことに決まってるけどね

そうぼそりと呟いたリョーマに気付くことなく、女の子達は不二談義に花を咲かせていた。

「ねね?言った通りでしょう?3年生にかっこいい先輩がいるって!」
「うんうん!みっちゃんの言った通りだった!!」
「あの笑顔がなんて言うかこう・・・綺麗なんだよね〜!」
「優しいって言うか・・・大人って言うか・・・」
「そうそう!そこらにいる男の子とは別格!!」
いや〜んvvかっこいい〜〜〜!!


だ、ダマされてるんじゃないの?あんたたち・・・
あの笑顔が曲者なんだよ、あの笑顔が!


無邪気な女の子達の会話に思わず脱力しかけたリョーマは、ふと気付いた。
気付いて硬直する。


「げ」


なんと運動場にいる不二と、ばっちり視線があってしまったのだ。


な、なんであうかな・・・ここ2階だよ?


内心焦りながら硬直するリョーマをじっと見つめ・・・不二はおもむろににっこりと微笑んだ。
それはいつものどこか人をくったような笑顔ではなく、優しい柔らかな笑顔。


う・・・とリョーマの頬が真っ赤に染まったその時。
すぐ横で上がった煩いまでの黄色い声。


「きゃ〜きゃ〜!!ねぇ、見た!!?」
「見た見た!!!」
「い、今、こっち見て笑ったよね、不二先輩!!」
私達に!!?
まさかぁ〜ああでも!!もしかして!!?
きゃぁ〜〜〜〜!!!!


頬を紅潮させ、小鳥のように騒ぐ女の子達。
彼女達に気付かれないかとリョーマは慌てて顔を伏せた。


し、心臓に悪い・・・


机に突っ伏した状態で一人ごちる。
心臓はいまだばくばくと早鐘のようで・・・。


あんな笑顔・・・いきなり向けないで欲しいよね

きっと分かっててやってるんだろうけどさ・・・。


溜め息一つついて、残りの休み時間を睡眠時間にあてようとする。
しかし・・・一向に頬の熱さは引かないし、心臓だって静まらない。
眠ろうと努力すればするほど、先ほどの笑顔が思い浮かんで・・・いっそう頬が熱くなる。
悪循環である。


ああもう・・・寝るどころじゃないじゃないか!

貴重な睡眠時間なのに〜!!


曲者だと分かっていてもどきどきする心臓に、情けないやら呆れるやら・・・。
そうこうするうちに残り僅かだった昼休みはあっけなく終わりを告げたのだった・・・。










END




≫≫≫リク内容
ほのぼのフジリョ
フジさんの笑顔に振り回されて頂きたいです。リョ―マくん。(えっ)


2222hit代理リク小説です。
申告はなかったんですが、不二先輩数字をどうしても諦められず、募集したところ、スガノさんが心優しくもリクしてくださったというワケなのですvv
しかし・・・これは・・・ほのぼのでしょうか?(汗)
あれだけ制限つけておいてこれ・・・あわわι
もしかして私はとんでもない悪人では・・・?(爆)
ス、スガノさん・・・こんなものでも受けとって頂けるでしょうか・・・?(汗)

ちなみにこれは健全な感じです。
でもこれにはおまけがあります。
こっちは健全じゃないです。でも少しだけですが。
よろしければどうぞ〜vv(^^ゞ
あ、でも読んで後悔する可能性もあるので、かっこいい不二先輩がお好きな方は読まない方が良いかと思われます・・・あはは(汗)


→おまけ


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